流星 (流星語)

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この作品はひどく分かりやすく、

おおよそのストーリーが最初から読めてしまうタイプの映画でした。

私は今回、この映画を見て、こういったヒューマンものは

つくづく自分には合わないんだなぁと思いました。

3回見ましたが、いつも途中で眠くなってしまう‥。


この作品はとても良い話だとは思うんですが、

悲しみがいまいち伝わってきませんでした。

誰の悲しみがって?

はい、それはもう母親(リャン夫人)の。

彼女からは、苦悩も切なさも悲しさも

何も伝わってきやしませんでした。

どうしてこんなにも『母親像』からかけ離れた役者さんを

使ってしまったのでしょうか?

スラリと背がバカ高く(180cm近くあるのでは?)、

着ている服もグレーが多くて温かみに欠けて、

眉なんかキリリと細く弓なりに整えられている。

美しい人だとは思うのですが、どう見ても『母親』ってイメージじゃなかった。

その点、レスリー演じる「ウェイ」は、

義父にも関わらず、本物の父親でした。

彼からはミンを愛する気持ち、

それゆえに思い悩む心が、ジーンと伝わってきました。

身なりも構わない、

経済面でも不安定なその日暮らしの生活はしてるけれど、

彼は全力でミンと対等に接していました。

本当にミンをあの母親に渡してしまってもよかったんでしょうか?


「ミンには何が必要か」


これは「子育てには何が必要か」とも言える事だと思います。

それは母親がミンに与えたような、たくさんの玩具や綺麗な洋服でしょうか?

彼女はミンの心を開かせる時でさえ、

トランシーバーという機械を媒介させています。

ミンが寝付く時も、一緒に布団に入りはしません。

たとえ経済的には貧しくても、ミンはウェイと一緒だった方が、

ずっとずっと幸せだったんじゃないか、と思えてなりませんでした。


ウェイにとっても、

ミンと離れた方が良いようにストーリーは流れていきました。

ウェイが就きたい仕事には、子供がいてはならなかった。

でもミンと離れたくない、その思いの中で、

揺れ動くウェイの心情はとても切なかったです。

全体的に見て、ミンがひどく不憫な存在のように

思えてなりませんでした。

経済的にも精神的にも行き詰まった母親から捨てられ、

一人ぼっちで絶望のどん底に突き落とされた

心の支えが必要な状態のウェイに引き取られる。

ミンを捨てて身軽になり、金持ちと再婚出来た母親は、

経済面では余裕が出来たが、

今度は罪悪感に苛(さいな)まれて、再びミンを求める。

ちょうどその時、一人になった方がいいウェイから

その母親の元に戻される。


「子供には何が必要か」というより、「今、子供がドコに必要か」の基準で

ミンが動かされているような気すらして、

何ともいえない気持ちで見終わりました。

この作品には、2つのエピソードが平行して作られていました。

1つはウェイとミンとリャン夫人の話、

もう1つは、老人ホームを経営する女性ランと、

おせっかいだけど気持ちの優しいルン警官の

ささやかなラヴストーリーです。

最初はルン警官を嫌っているランですが、

一生懸命、ちょっとした贈り物をもって、

彼女の顔見たさにやってくるルン警官をみているうちに、

彼女の気持ちもほぐれ、彼を意識し始めます。

その経過は、見ていてとても微笑ましかった!

それだけに最後、彼のくれた鉢植えを手に、

ランがこと切れているシーンでは

ルンでなくてもやるせなくて泣けてきました。


小さく芽生え始めた恋を育てていく2人を見ていて、

ミンに対してよりも「幸せになったらいいな」と思っていました。

(だってミンは、ウェイと一緒で十分幸せそうでしたからね)

なのにあの結末‥(涙)

ウェイとミンは、「親子」というより、

「同志」みたいだなぁと思いながら見ていました。

2人は「大人」や「子供」と言うより先に、

「分かり合えた者同士」なんだ、と感じたからです。

でも世間はそう見る事はせず、

「大人は責任を持って子供を養う義務がある」

「子供は安定した家庭で育つ権利がある」

と決めてかかり、二人を引き離そうとしました。

どうして「いろんな良い関係がある」事を認めてくれないのかなぁ。

「普通」が一番とは限らないでしょう?

「その人の幸せとは何か」を基準にすればいいのに。

4歳のミンにそんな判断はつかない?

いいえ、そんなは事ないと思います。

逆に大人の方が、いろんな荷物を持ちすぎて、

どれが本当に大切な物か見えてない事が多いから、

幼い子供の方がそれが分かるのではないかと思うのです。


子供に必要なもの、それは人間に必要なもの。

「自分の事を本当に愛し、大切にしてくれて、

自分もまた愛し、大切に出来る相手」


買った物はいつか飽きるけど、

受けた無償の愛は、心で増えて育つと思うから。


だからこの話がどんなに良い話だと言われても、

私はこの結末に不満です。

あんな母親に返してハッピーエンドだなんて認めない!

完璧な話にしろ、なんて無茶を言うつもりはないけど、

「あれがみんなにとって幸せな結末だ」とは認めません。

実の親に育てられたら幸せだとか、

経済的に恵まれている方がいいとか、

「そんなもんごく小さい話じゃないのか?」と思わせるくらい

ウェイのミンへの愛は大きかったから。

そして2人の絆は固かったから。


それともウェイとミンは、ちょっとの間だけでも、

あんな素敵な時間を持てて幸せだった、と見るべきなのかな。


関係ない突っ込み

(真面目な人は読んじゃダメ!)


最初、会社のトイレの鏡に向かってウェイが何かしていますが‥

あれ、靴の裏にくっついた、ガムを取っていたらしいですね。

私はてっきり‥歯を磨いているのかと(笑)

ガムが歯磨き粉に見えてました。

それはそうと、ウェイの彼女はどうしてトイレに?

男子トイレでしょう?あそこは。

赤ん坊だったミンを見つけ、オロオロするウェイ。

‥この赤ん坊、どこから入ってきて置いたんだ?

この部屋、鍵もかかってないの?

そういやウェイが入ってきた時も、鍵を開けたふうじゃなかったな。

そんなに治安がいいとこなのか?


それからウェイ、

アナタもどうして赤ん坊をすぐ警察に届けないのよ?

しかも水辺なんかに何で置く?!

そんなトコに置いても、金持ちに拾われる可能性なんてゼロだろう?

それどころかネコや犬がきたらどうする気だったんだ。

その後、無責任にも爆睡してるし。


大雨の中、そのまま置かれていた赤ん坊ミンですが、

あれは明らかに人形でしたね(当然ですが)

だってウェイ、抱きなおす時、ミンの頭だけしか持ってなかったもん。

もっと大切に扱ってあげてね(笑)

設定では「生まれたて」なんでしょ?

レスリーさん‥また歳をサバよんでましたね‥。

あの撮影時、43歳くらいのはずなのに、

自分の事を「30歳過ぎの子供だ」とか言ってましたよ(苦笑)

いや、それくらいに見えるんだけど、

ああもあからさまに言われると〜まぁいいか。

玄関のチャイムの音楽。

ああいうのが香港では普通なんでしょうか?

最初、電話が鳴ってるのかと思いましたよ。

ところで私はVCDでこの映画を見たんですが、

1枚目、凄いトコで切れてませんか?

たしかミンのセリフの途中で。

最初ワケ分かりませんでした。

VCDが不良品なのか?

海辺ではしゃぐミン、ウェイ、リャン夫人。

この時はめちゃ曇ってるのに、

夜にはなぜか流れ星。

夜は晴れてよかったね‥。


夜の浜辺で、ピスタチオを食べるウェイとリャン夫人。

殻を焚き火の中に放り込んでいますが‥。

途中、ウェイ、別のものも放り込んでますね。

何じゃありゃ?

子供のおもちゃのマイクみたいでしたが。

でもそんなもん燃やした日にゃ

臭くていられないですよね。プラスティックみたいだったし。


それとあのシーンで、

リャン夫人が頭を動かした時だけ見える、

黄色い小さいライトは何??

リャン夫人の頭の向こうに見えるあの光‥。

またしてもVCDの不良か??

リャン夫人、最後は三つ編みなんかしちゃってましたが

服は乗馬する人みたいでした。

何が何やら‥。


最後に一言


今回、レスリーは一皮向けようとして

こういう新ジャンルに挑んだのかもしれませんが、

私はやっぱりいつもの路線のが好きでした。

でもミンと楽しそうにしているレスリーの姿は、

見ていた私をとてもほのぼのした気持ちにしてくれました。

ただ、サラリしたストーリーで、万人受けする内容だっただけに、

天邪鬼な私にはちょっと物足らなかったのでした。



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