烈火青春 (画像はこちら)

ネタばれ注意!!(ルイ=レスリー)




この映画を見た時ほど、

「日本人じゃなかったら良かった‥」

と思った事はありません。

だって‥だって、せっかくの良い映画が‥

すっかりギャグ映画!!

あんな日本人がドコにいるんだよ〜!

まるで座敷童子のような髪型で、

浴衣なんだか着物なんだか分からん服を着て、

「セップクッ(切腹)」とか「カイシャクッ(介錯)」とか叫びながら、

刀を振り回す女‥。

もう腹がよじれる程、大笑いしましたよ(涙)

たくさんの賞を取った名作だってのに。

あぁ‥私がアメリカ人だったら、素直に感動出来ただろうに。

こんな調子で、私も、

いろいろ中国の事を誤解してるんだろうなぁ。

しかし‥はぁ‥面白かった(溜息)

さて、2回目、見てみました。

とりあえず笑いも収まり、やっとこの映画を冷静に見ての感想。

『チャイニーズゴーストストーリー』に引き続き、

やっぱり面倒見てもらいっぱなしの、

庇護欲を掻き立てまくりのレスリーが見ものです。

少女のようなトマトでさえ、彼の前でだと

まるで母親のように‥。

自分からヒョイヒョイと、彼女の腕の中に抱かれにいく男、ルイ。

くぅ〜可愛い!!

キスも、母子の『おやすみのチュー』みたい。

女性を求めると言うより、母性を求めていると言うか。

あんなにも経済面で恵まれているルイなのに

彼にはなぜかいつも孤独の影が差してるんですよね。

それがトマトによって満たされる‥幸せそうなルイが

とっても可愛らしい!!


冒頭から、幻惑的な音楽、けだるい雰囲気をかもし出す映像。

その中で寝転がっているルイ。

彼のゆったりとした動きが、

外界から遮断された、曖昧な空気を演出してこの映画は始まり、

次の続くのは、かしましい女の子達の歓声。

発散すべき場所を持たない、鬱屈した若さと、

弾けるような若さの対比が描かれています。

当然前者のが不健全なのですが、ルイは悲しいかな、

前者の、若さを持て余した青年なのです。

お金があっても、決して幸せにはなれないのねー‥。

お金は若者を根暗にするのかしら(涙)

(だってこの時代にシンナー吸ってるなんて‥暗すぎる:涙)

したたかで大人びたキャシー、無邪気で天真爛漫なトマト、

毎日『素敵な事』が起こるのを、ただ待っているルイ、

傲慢とさえ取れる、『若さ』で全てが回っているトム。

(いつも太ももまで見える短パン履いてるしね:笑)

この作品は、『若さ』が詰まって溢れていて、

思わずそれにむせてしまうような作品です。

世間から隔絶した世界、時間は意味もなく流れ、

うだるような、汗ばむような、けだるさ溢れる毎日。

梢を揺らす風、照らす太陽、打ち寄せる波さえも、

全ては彼らのもののような錯覚を覚えます。

そして彼らの時間は、まるで無限のように‥。


一度でいいから、こんな時間を過してみたいなぁ。

気の許せる仲間だけで、何不自由なく、

何者にも縛られない時間と空間。

空にある太陽ですら、射抜く事が出来る。


しかしそのバックには、常にもの悲しい音楽が流れていて、

それはやがて訪れる、悲劇の前触れを予感させます。

いずれは必ず沈む太陽、そして闇が支配する夜が

彼らを包み込む‥。


彼らの奔放な生活を見ていて、

私が感じたのは強烈な「死」でした。

あんなにも活き活きと、

世界を手中に収めたように振舞う彼らを見て、

なぜそう感じたのか。

まるで楽園のような、この世ではない空間にいる彼らは

現実を生きている私から見て、儚く見えたのかも知れません。

ルイを経済面で援助しているはずの両親は微塵も出てくる事なく、

秩序ない世界は、子供達だけの世界でした。

幼く無防備な彼らは、

突然現れた敵に対し、自分の身を守る術を持ちませんでした。

そんな中、それでも強かったのは、

おそらくこれから母になるのであろう、トマト。

ルイと自分の身を守るため、彼女は勇敢にも戦う。

最後、矢を放った時の彼女は、女神さながらに輝いてみえました。


幸せな夢は終わってしまった‥。

膨らみすぎた風船が割れるように、

パチンと音を立て、弾けて消えた。

その何と脆い事か‥。

その『儚さ』こそが、『若さ』なんだと

見終わった後、しみじみと思いました。

この映画は不思議なまでに、

一般的に『タブー』とされている世界に踏み込んでいます。

まず、全体的に同性愛が散りばめられている点。

ふざけて無理やりルイにキスするトム。

そのあともトムに投げキスを寄越すルイ。

同性の頬に自然と唇を寄せる女の子。

同性にしか興味がないデザイナー。


またセックスだけの繋がりを持つ、キャシーとトムの関係や、

キャシーの二股も、ごく当たり前のように描かれています。

4人の男女が裸になり、入り乱れ絡まって野外で眠るシーンや

今では大して珍しくも無くなった、

『オタクっぽいキャラ』の『ストーカー』も登場します。

どれもこの時代では、斬新な題材だと思うのですが

それが普通に描かれていて、とても好感が持てます。


なーのーに、刀を振り回す、時代錯誤な女の人が出てくるあたり‥

新しいんだか古いんだか(苦笑)

ベッドシーンも今と違い、雰囲気重視でありながら

官能的なものに仕上がっています。

肌の感触までもが伝わってくるような表現はさすが。



あんまり関係ない話


何て言うのか‥胸がない女性が多いですよね‥。

最初、水着を着たキャシーを見た時

「‥レスリングの選手じゃないんだから」

と思ってしまいました。

あとノーブラな人が多い。流行ってたのかしら??


この映画が撮影されたのは、「ウーマンリブ」の頃で、

あの頃は男性に媚びる、そして、

自分の体を締め付けるブラジャーは

しない方がカッコ良かったのだそうです。

その為、アメリカの、ヒッピームーブメントの後の映画には、

ノーブラの女性の方が多いそうです。

教えてくださったゆきんこサマ、

ありがとうございました。

ケンが抱えて持ってきた、アレは何だったんでしょう?

ルイは突っついたり撫でたりしていますが‥。

トマト的には辛かったのかな??

つーか食べ物なの?アレ。

日本語を練習しているシーンがありますが、

あの頃、日本に憧れる人が多かったんですかねぇ?

トマトまで話せてるし‥。

でもルイは話せない(笑)ぼっちゃん、国際人を目指せ!

凄い日本通」なんだろ??

あの可愛らしさが万国共通だからいいのかしら(笑)


字幕が無い為、内容が把握しにくい場面もありますが、

全体的にセリフで表現と言うより、

雰囲気で表現している部分が多いので、

それほど困らないと思います。

マジ、お薦めですよ、この映画!

レスリー演じるルイは、口数の少ない役だったせいか、

ちょっとした表情による演技が冴えています★

また、金持ちのボンボンらしい振る舞いが全然不自然じゃなくて

とってもハマり役★

こればっかりは生まれ持ったもの、育つにつれ

自然と身につくものだと思うので

演技力と共に、恵まれた才能(もの)を持ってるなぁと思わされました。


この作品、どうして日本で公開されなかったのかなぁ。

良い映画なのに‥やっぱり「セップク」とかのせいかしら(涙)

そういえばこの映画、最近また、新しく作られたみたいです。

そっちも見てみたいかな〜でもイメージ狂っちゃうかな?



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